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福島原発事故・マーシャル諸島核実験
国際シンポジウム「ビキニ事件」61年 第1部 グローバルヒバクシャの光景
世界のヒバクシャ〜日米の被ばく補償
豊崎博光さんの話

2015年2月21日 明治学院大学白金校舎

WEB&YouTube配信2015年4月22日、制作:映像ドキュメント.com

「ビキニ事件」61年の国際シンポジウムより、世界のヒバクシャを網羅するように取材してきた豊崎博光さん(フォトジャーナリスト、中央大学等兼任講師)の報告。

米国の被ばく者が声をあげ、被害を認めさせてきた歴史をふりかえりながら、米国における被ばく者認定がどこまで進んできたか、何がまだ認められていないかを報告。日本における被ばく者の認定のありようを問うた。
たとえば広島・長崎についてみても、米国では広島・長崎に入ったすべての軍人が対象で、指定された22の疾病にかかったものは被曝線量を問わず補償の対象にしているのに対し、日本では爆心地からの距離などで区分け制限し、ヒバクシャを救済するのではなく切り捨てるものになっている。

また3度の“地球被ばく”のこと、まとめとして被ばく被害を4つに整理して語った。
(荒川俊児)
29分24秒 再生 PLAY(WMVファイル 150MB) YouTubeで見る

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◎ビキニ事件、3・1ビキニデー

1954年3月1日、米国はマーシャル諸島ビキニ環礁でブラボー(万歳)という名の水爆を爆発させた。日本の漁船・第五福竜丸がその死の灰(核分裂生成物・放射性降下物)を浴びて帰港、乗組員は原爆症で苦しみ、無線長の久保山愛吉さんが亡くなった。さらに数多くのマグロ漁船の被ばくも明らかになった(856隻が汚染魚を廃棄)。

これがきっかけとなって日本の原水爆禁止運動がはじまり、日本では3月1日は「ビキニデー」と呼ばれるようになった。

一方、同じ死の灰は、逃げ場のないマーシャル諸島の人々の上に降りそそいぎ、いまにいたるまで人々の生命をむしばみつづけている。
現在では、米国が被ばくを認めた島々だけでなく、被ばくはなかったとされた「低レベル」に汚染された島々でも健康被害が出ていて、認定と補償を求める声があがっている。

●話し手紹介

豊崎博光

『マーシャル諸島 核の世紀』とよさき・ひろみつ。1948年神奈川県生まれ。長年にわたり核の現場を取材してきたフォトジャーナリスト。1978年、米国の核実験被害を受けたマーシャル諸島の人々を取材したことをきっかけに、核実験、ウラン採掘、原発事故、核廃棄物問題など、世界各地のヒバクシャを取材。核問題を撮影する世界の写真家グループ「アトミック・フォトグラファーズ・ギルド」会員。
著書に『マーシャル諸島 核の世紀』上下巻(日本図書センター、2005年5月25日)
写真展を各地で開催。中央大学などで兼任講師をつとめる。

●当サイト内の関連映像・関連資料

◎国際シンポジウム「ビキニ事件」61年〈この日のこのほかの映像〉

世界のヒバクシャ〜日米の被ばく補償(豊崎博光)(http://www.eizoudocument.com/0652toyosaki.html)
ウラン鉱山−劣化ウラン−フクシマ(森瀧春子)(http://www.eizoudocument.com/0653moritaki.html)
マーシャル諸島アイルック環礁の核実験被害(竹峰誠一郎、Tempo Alfred、Rosania A. Bennett)(http://www.eizoudocument.com/0654ailuk.html)

映画パンフレット『ハーフライフ』◎マーシャル諸島の核実験

映画『ハーフライフ』フィルム貸出(http://www.eizoudocument.com/0647FILM002.html)
映画パンフレット『ハーフライフ』 (PDFファイル)(http://www.eizoudocument.com/06genpatsu/FILM002book.pdf)
映画『パシフィック』フィルム貸出(http://www.eizoudocument.com/0646FILM001.html)

◎太平洋から見たフクシマ

太平洋から見たフクシマ〜タヒチ・ポリネシアのローラン・オルダムさんインタビュー(http://www.eizoudocument.com/0630roland.html)

◎「ビキニの死の灰」の海洋汚染調査など

「原発汚染水の海中放出」で思いだすこと 前田哲男(ジャーナリスト)2011年4月7日(http://www.eizoudocument.com/0601omou.html#09)
「原発汚染水の海中放出」で思いだすこと2 前田哲男(ジャーナリスト)2011年4月9日(http://www.eizoudocument.com/0601omou.html#10)
福島原発事故に思う3 前田哲男(ジャーナリスト)2011年4月11日(http://www.eizoudocument.com/0601omou.html#11)
福島原発事故に思う4“浮かぶ原発”にも注目を 前田哲男(ジャーナリスト)2011年4月13日(http://www.eizoudocument.com/0601omou.html#12)

◎第五福竜丸

第五福竜丸元乗組員・大石又七さんの発言(http://www.eizoudocument.com/0651sayounarakameido.html#OishiMatashichi)

 


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〈国際シンポジウム〉「ビキニ事件」61年〜今みつめる核被害の拡がり〜
 
日時:2015年2月21日(土)開場10:00 10:20〜17:30
会場:明治学院大学白金校舎 本館10階大会議場
   アクセス(http://www.meijigakuin.ac.jp/access/)
使用言語:日本語(マーシャル諸島の方は、英語あるいはマーシャル語を使います。英語→日本語の同時通訳があります)
参加費:無料・事前申し込み不要

プログラム:
総合司会 鴫原敦子(環境・平和研究会共同代表)
10:20- はじめに 高原孝生 (明治学院大学国際平和研究所長、国際政治学・平和研究)
10:30- 第1部 グローバルヒバクシャの光景
 豊崎博光 (フォトジャーナリスト、中央大学等兼任講師)
 森瀧春子 (2015年「世界核被害者フォーラム実行委員会」事務局長、核兵器廃絶をめざすヒロシマの会)
(12:00- 昼食休憩)
13:30- 第2部 マーシャル諸島 米核実験被害<非認定>地域──「視野の外」に置かれてきた人びと
 竹峰誠一郎 (明星大学、グローバルヒバクシャ研究会共同代表)
 Tempo Alfred (ブラボー実験のときマーシャル諸島アイルック環礁で被曝、アイルック小学校元校長、同自治体議員、70代男性)
 Rosania A. Bennett (Tempoの姪、南太平洋大学法学部卒、元国会職員、日本人の祖父をもつ、40代女性)
(15:30- 休憩)
15:45- 第3部 日本漁船員1000隻をこえる被災船を追う
 星正治 (広島大学名誉教授、放射線物理学、NHKスペシャル「水爆実験 60年目の真実」(2014年8月6日)で放映された共同研究よびかけ人)
 高橋博子 (広島市立大学、グローバルヒバクシャ研究会共同代)
17:15- おわりに 藍原寛子 (ジャーナリスト、Japan Perspective News株式会社、福島市在住)

開催趣旨:
「ビキニ事件」から61年を迎えます。人道面に光をあてて「核なき世界」を希求する国際的な動き、あるいは東電福島第一原発事故などを視野に置きながら、被爆70年の夏を前に、国境を超える視点をもち、不可視化された核被害にどう迫っていくのか、共に考え模索し、新たな機運とつながりを築く機会にしたいと考えています。核実験場とされたマーシャル諸島から、これまで核被害が顧みられてこなかった地域の方をゲストにお迎えして開催します。

共催:明治学院大学国際平和研究所(PRIME)、グローバルヒバクシャ研究会、第五福竜丸平和協会
トヨタ財団助成プロジェクト「福島発 世界へ──世代を超え未来につなぐ被ばく体験のアーカイブ化とネットワーク構築」
問い合わせ先:
明治学院大学国際平和研究所(PRIME)(http://www.meijigakuin.ac.jp/~prime/)TEL:03-5421-5652、FAX:03-5421-5653
グローバルヒバクシャ研究会共同代表 竹峰誠一郎(明星大学)

 

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掲載2015年4月22日
更新2017年1月27日