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Home ≫ 見る ≫ NHK番組改変事件
NHK番組改変事件
最高裁判決を批判する
憲法学者 奥平康弘さんの話


2008年10月4日、渋谷勤労福祉会館

WEB配信2008年11月1日、YouTube配信2008年11月6日、制作:映像ドキュメント.com

女性国際戦犯法廷を取材し「従軍慰安婦」問題をとりあげたNHK・ETV2001『戦争をどう裁くか―問われる戦時性暴力』(2001年1月30日放送)が、放送直前に大幅に改変された事件をめぐり、女性国際戦犯法廷を主催した「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(バウネット・ジャパン)が、被取材者としての「期待と信頼」を損なわれたとしてNHKらを相手に損害賠償を求めていた裁判で、2008年6月12日に最高裁判所は原告の訴えを退ける判決を出した。

東京高等裁判所の判決(2007年1月29日)では「NHK幹部は政治家の意図をそんたくして番組の改変を行い、編集権を自ら放棄した」とNHKらの責任を認めた。しかし最高裁判所は政治家の圧力によって番組改変がなされたかどうかには立ち入らす、原告が主張した取材される側の「期待権」に放送事業者の編集の自由(番組編集の自律性)を対置して、「期待権」は法的保護の対象にならないと原告逆転敗訴の判決を下した。

この判決をめぐっては、「期待権」を退け「表現の自由」を守ったと歓迎するマスメディアの論調が多かったが、最大の問題、政治家の関与・圧力が番組を改変させたのか、あるいはNHK幹部が政治家の圧力に屈した結果番組改変に至ったのかについては不問にふされたままだ。

ここでは「NHK番組改変事件は終わらない〜政治介入の真相解明を〜」と題して、放送を語る会が主催した第19回放送を語るつどいより、憲法学者・奥平康弘さん(「九条の会」呼びかけ人)の講演を紹介する。

高裁、最高裁と真っ向から反対する判決をどう読むべきなのか、表現の自由はだれにあるのか。NHKの側にもっぱらあるとした最高裁判決に対して、憲法学者の視点から明快に批判している。

⇒全編 再生 PLAY 34分07秒(WMVファイル、58.6MB)

YouTube配信1/42/43/44/4(4分割になってます)

NHK番組改変-奥平康弘さん
 
NHK番組改変-奥平康弘さん
 
NHK番組改変-奥平康弘さん NHK番組改変-奥平康弘さん

⇒全編 再生 PLAY 34分07秒(WMVファイル、58.6MB)

●話し手紹介

奥平康弘(憲法学者、「九条の会」呼びかけ人)
 おくだいらやすひろ。1929年生まれ。「表現の自由」研究の第一人者。東京大学名誉教授。著書に、『治安維持法小史』『知る権利』『なぜ「表現の自由」か』など多数。近著に、『憲法の想像力』(日本評論社、2003年)『「万世一系」の研究―「皇室典範的なるもの」への視座』(岩波書店、2005年)『憲法を生きる』(日本評論社、2007年)。

●関連サイト、関連資料

主催者のサイトに、この集いの報告と配付された資料が紹介されています。そのなかの「ETV2001略年表」がどのような経緯で番組改変が行われたかを知るのに役立ちます。放送前日にNHK幹部が安倍晋三官房副長官(当時)に会い、翌日の放送直前まで改変作業が行われ、番組の核心部分が削除されたことがわかります。
第19回放送を語るつどい報告(http://www.geocities.jp/hoso_katarukai/19tudoi.html)
放送を語る会(http://www.geocities.jp/hoso_katarukai/)

東京高裁判決文 2007.1.29(http://www.news-pj.net/siryou/2007/nhk-kousai_zenbun20070129.html)
最高裁判決文 2008.6.12(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080612173527.pdf)

裁判原告⇒「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(http://www1.jca.apc.org/vaww-net-japan/)

裁判被告NHKの声明⇒きょうの最高裁判決について(http://www3.nhk.or.jp/pr/keiei/news/080612.html)
そう言うなら、なぜ政治家には「編集の自由」を主張しなかったんだろう??? 問題は「編集の自由」を政治家には主張せず言いなりになったことなんだぜ。


第19回放送を語るつどい
NHK番組改変事件は終わらない〜政治介入の真相解明を〜
・基調講演「憲法からみたNHK裁判」奥平康弘氏(憲法研究者・九条の会呼びかけ人)
・映像報告「ここがカットされた!」(放送を語る会)
・シンポジウム「NHK番組改変事件は終わらない」
 パネラー 西野瑠美子(NHK裁判原告、「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク共同代表)、野中章弘(ジャーナリスト、アジアプレス・インターナショナル代表)、松田浩(メディア研究者、元立命館大学教授)
日時:2008年10月4日(土)13:30〜18:00
会場:渋谷勤労福祉会館 第一洋室
主催:放送を語る会
協賛:日本ジャーナリスト会議、メディア総合研究所
  (c) 映像ドキュメント.com, Tokyo, Japan. All rights reserved.

 

 

WEB配信・掲載2008年11月1日
YouTube配信2008年11月6日